【第14回】小豆
明けましておめでとうございます。
今年も、雑穀ごはんや旬の食材の恵みをいただいて、
充実した1年にしていきましょう。
さて、1月、冬本番!!寒いと外に出るのも億劫になり、家でぬくぬく・・・
手持ち無沙汰で食べ過ぎてしまう、なんて事もあるのではないでしょうか?
「寒い」と言うだけで、血管が縮んで血流が悪くなるのですが
このような状態が続くと、さらに老廃物が出て行きにくくなります。
また冬は寒いだけでなく、乾燥する季節。鼻や喉の粘膜が乾燥して、
喉の痛みや腫れを起こし、肺を痛めて、咳なども出やすくなります。
そんな時、影響を受ける臓器のひとつが「腎臓」です。
腎臓は古い血液をキレイにして、余分な水分やいらなくなった老廃物を「尿」にして
カラダの外に排出してくれる大切な臓器。
しかし、この腎臓が弱ると、水分コントロールがうまくいかなくなり、浮腫や手足の
だるさ、冷え、膀胱炎などの症状が出ます。
今回ご紹介する食材はそんな腎臓のサポートをしてくれる 小豆。
(第3回 でもご紹介しましたが、豆類は穀物の中で「菽穀(しゅくこく)」に分類され
広い意味で雑穀の一部として捉えられているようです。)
腎臓(kidney:キドニー)の形と小豆の形は似ています。
小豆より、少し大きい赤インゲン豆は、キドニービーンズと言いますが
腎臓に形が似ていることから、こう名付けられたのです。
小豆の効用と言えば、利尿作用。
これは、外皮に含まれるポリフェノールの一種であるサポニンと豊富なカリウム
によるものです。
サポニンやカリウムによる利尿作用や解毒作用が効果を発揮して、
腎臓などからくるむくみを解消する他、血中コレステロールや中性脂肪を低下させ、
高脂血症や高血圧を予防してくれます。
もうひとつの魅力が目に良いアントシアニンという成分も含んでいること。
この成分をたくさん含む食品とて良く知られているのが、ブルーベリーですが
これはアントシアニンが目の周りや眼球の周りにある毛細血管の血行を良くして、
眼精疲労を解消させてくれるからなのです。
また、ビタミンB1も豊富でこれはでんぷんをエネルギーに変える働きをスムーズ
にして、体内に疲労物質が溜まるのを防ぐはたらきがあります。
筋肉の中の疲労物質も取り除くので、筋肉痛や肩こりの症状があるとき、
小豆を食べると症状が改善されやすくなります。
こんな魅力的な小豆ですが、これらの有効成分は、水に溶けやすい水溶性。
小豆を煮るとき、ゆでこぼしをすると有効成分を捨ててしまうことになりますので、
そのまま煮て汁ごといただくのがおすすめです。
私は小豆・・・と言うとお正月過ぎて、鏡開きをすると
いつも祖母がお汁粉を作ってくれたことを思い出します。
甘いお汁粉やあんこは美味しくて、たくさん食べたくなってしまいますが、
甘いものは、カラダを冷やすので、冬には要注意!
今回は、もち米ではなく炊飯器で簡単にできるお赤飯のような小豆ごはんと
かぼちゃいとこ煮の2品のレシピをご紹介します。
【小豆ごはん】
≪材料 2合分≫
米(白米、胚芽米、玄米など)・・・合わせて2合
小豆・・・大さじ3
水・・・2カップ強+α
(お米の時期や品種、お好みにより異なるので、加減してください。)
≪作り方≫
(1)鍋に、あずきとかぶるくらいの水を入れ、強火にかけ、煮立ったら中火にして約2分茹でてざるにあける。
(2)鍋に1カップ位の水と(1)のあずきを入れ、中火で約15分茹でる。小豆が少し固い位でOK。小豆の皮が切れないように。
(3)米は洗い、30分以上浸水させてざるにあける。ゆで汁と水を合わせて440ccにし、炊飯器に米と小豆を加えて通常通り炊く。
(4)お好みでごま塩をかける。
※玄米の場合は玄米モードなどで炊くことをおすすめします。
【かぼちゃのいとこ煮】
≪材料 2~4人分≫
小豆・・・1/2カップ
水・・・1/2カップ
かぼちゃ・・・250g
塩・・・少々
≪作り方≫
(1)小豆は分量の水に一晩浸しておく。
(2)鍋にかぼちゃを入れてひたひたになる位の水を入れて蓋をして火にかける。
少し固めな状態になったら、鍋から取り出す。
(3)(2)のかぼちゃの煮汁が残った鍋に(1)のつけ汁ごと入れ、火にかける。
水気がなくなったら、豆が浸る位のさし水(分量外)を入れて10~15分、
小豆に火が通るまで煮る。
(3)かぼちゃと塩を加えて水気が少しなくなる程度に煮詰める。
煮汁を多めにして、少量の塩で味付けをしてかぼちゃと小豆の甘さを生かすことで、
煮汁に溶け出た栄養も余すところなくいただきます。
かぼちゃ、小豆・・・というと甘いイメージがあって男性にあまり人気がありませんが
塩だけで煮たら、素材の甘みだけで、ごはんのおかずにも最適です。
寒い冬には、老廃物を溜め込まずにデトックス!なお食事をしましょう。